Python 例外処理の使い方:初心者向けの基礎から実践

Pythonの例外処理の基礎から実践的な使い方までを解説します。

例外処理を使うことで、どのような利点があるのでしょうか?

例外処理を使うことで、プログラムの安定性を向上させることができます。例外処理を使うことでエラーをキャッチし、プログラムを継続して実行することができます。

以下で例外処理について解説していきます。

目次

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    例外処理とは

    例外処理とは、プログラムの実行中に予期しないエラーが発生した場合に、エラーをキャッチし、プログラムの実行を中断させずにエラーを処理する方法です。例外処理を書くことで、プログラムの安定性を向上させることができます。

    Pythonでは、try-except文やraise文などの例外処理構文を使用して、例外処理を記述することができます。

    例外処理の基本構文

    例外処理の基本構文について説明します。Pythonでは、例外処理のためにtry-except文という構文が用意されています。

    try-except文は、以下のように記述します。

    try:
        # 例外が発生する可能性がある処理
    except 例外の種類1:
        # 例外が発生した場合に実行される処理
    except 例外の種類2:
        # 例外が発生した場合に実行される処理
    else:
        # 例外が発生しなかった場合に実行される処理
    finally:
        # 例外が発生してもしなくても必ず実行される処理

    上記のように、tryブロックには例外が発生する可能性のある処理を記述します。例外が発生しない場合、tryブロック内の処理が順次実行されます。

    一方、exceptブロックには、発生した例外の種類に対してそれぞれの処理を記述します。例外の種類には、標準例外や独自例外などがあります。また、exceptブロックは複数記述することができます。

    例外が発生しなかった場合に実行される処理は、elseブロックに記述します。finallyブロックには、例外が発生してもしなくても必ず実行される処理を記述します。

    try-except文は、例外処理を記述するための基本構文です。これを使うことで、プログラムの実行中に発生するエラーをキャッチし、適切な処理を行うことができます。

    例外の種類

    Pythonには多くの例外がありますが、代表的な例外には以下のようなものがあります。

    例外名説明
    Exceptionすべての例外の基底クラス
    AttributeError属性参照または代入が失敗した場合に発生する
    EOFError入力ストリームが予期せず終了した場合に発生する
    ImportErrorimport文で指定したモジュールが見つからない場合に発生する
    IndexErrorシーケンスのインデックスが範囲外の場合に発生する
    KeyErrorマッピングのキーが見つからない場合に発生する
    KeyboardInterruptユーザがCtrl-Cを押した場合に発生する
    MemoryErrorプログラムがメモリ不足になった場合に発生する
    NameError名前が定義されていない場合に発生する
    OSErrorシステム関数がシステム固有のエラーを報告した場合に発生する
    OverflowError数値演算がオーバーフローした場合に発生する
    RuntimeErrorその他のエラーの基底クラス
    StopIteration次の要素がないiteratorから要素を取り出そうとした場合に発生する
    SyntaxErrorPythonの構文が不正である場合に発生する
    SystemErrorインタプリタが内部エラーを報告した場合に発生する
    TypeErrorオブジェクトの型が不正な場合に発生する
    ValueError関数に渡された引数が不正な場合に発生する
    ZeroDivisionError0で除算を行った場合に発生する
    代表的な例外

    これらの例外は、プログラム実行中に予期せぬエラーが発生した場合に、どのようなエラーが発生したのかを把握するために役立ちます。例外にはそれぞれ、適切な対処方法が定義されています。

    try-except文の基礎

    Pythonにおける例外処理は、try-except文を用いることで行われます。tryブロック内には、例外が発生する可能性があるコードが記述され、exceptブロック内には、例外が発生した場合の処理が記述されます。

    try-except文の基本的な構文は以下の通りです。

    try:
        # 例外が発生する可能性のあるコード
    except:
        # 例外が発生した場合の処理

    例外が発生しなかった場合、exceptブロックはスキップされます。例外が発生した場合、プログラムは自動的にtryブロックからexceptブロックにジャンプし、exceptブロックのコードが実行されます。その後、プログラムは通常の動作を再開します。

    また、exceptブロックには、どのような例外に対して処理を行うのかを指定することもできます。例えば、ZeroDivisionError例外に対してのみ処理を行う場合は、以下のように記述します。

    try:
        # 例外が発生する可能性のあるコード
    except ZeroDivisionError:
        # ZeroDivisionError例外が発生した場合の処理

    このようにすることで、tryブロックで発生する可能性のある例外の種類に応じた処理を、exceptブロック内で個別に行うことができます。

    try-except-else文の使い方

    Pythonにおける例外処理は、try-except文を用いることで行われます。tryブロック内には、例外が発生する可能性があるコードが記述され、exceptブロック内には、例外が発生した場合の処理が記述されます。

    さらに、try-except文にelseブロックを追加することで、例外が発生しなかった場合に実行されるコードを記述することができます。具体的には、tryブロック内のコードが正常に実行された場合にのみ実行されるコードをelseブロックに記述します。

    try-except-else文の基本的な構文は以下の通りです。

    try:
        # 例外が発生する可能性のあるコード
    except:
        # 例外が発生した場合の処理
    else:
        # 例外が発生しなかった場合の処理

    例外が発生しなかった場合、exceptブロックとは別にelseブロックが実行されます。exceptブロックが実行された場合、elseブロックはスキップされます。

    elseブロックを使うことで、例外処理とそれ以外の処理を明確に区別することができ、コードの可読性が向上します。例えば、ファイルの読み込みに成功した場合にのみ処理を行いたい場合、以下のようにtry-except-else文を使用することができます。

    try:
        with open("file.txt", "r") as file:
            # ファイルの読み込み処理
    except FileNotFoundError:
        print("指定されたファイルが見つかりません。")
    else:
        print("ファイルの読み込みに成功しました。")

    このようにすることで、ファイルの読み込みに成功した場合にのみelseブロック内の処理が実行されるようになります。

    必ず実行されるfinally文の使い方

    finallyブロックは、try-except文において必ず実行されるブロックです。tryブロック内で例外が発生した場合でも、finallyブロックは必ず実行されます。

    finallyブロックには、主にリソースの解放やクリーンアップ処理を記述します。例えば、ファイルを開いた場合には、finallyブロック内でファイルを閉じる処理を行うことができます。

    try-except-finally文の基本的な構文は以下の通りです。

    try:
        # 例外が発生する可能性のあるコード
    except:
        # 例外が発生した場合の処理
    finally:
        # 必ず実行される処理

     finallyブロック内の処理は、例外が発生した場合でも必ず実行されます。このため、finallyブロック内には例外処理とは無関係のコードを記述することができます。

    例えば、以下のようにしてファイルを開き、読み込んだ後に必ずファイルを閉じる処理を行うことができます。

    try:
        file = open("file.txt", "r")
        try:
            # ファイルの読み込み処理
        finally:
            file.close()
    except FileNotFoundError:
        print("指定されたファイルが見つかりません。")

    この例では、ファイルの読み込み処理がtryブロック内で行われています。finallyブロック内で、必ずファイルを閉じる処理が行われるため、プログラムの実行中にファイルが開いたままになることがありません。

    finallyブロックを使うことで、リソースの解放やクリーンアップ処理を確実に行うことができます。

    意図的に例外を発生させるraise文の使い方

    raise文は、意図的に例外を発生させるために使用されます。raise文を使用することで、自分で定義した例外やPythonに組み込まれた例外を発生させることができます。

    raise文の基本的な構文は以下の通りです。

    raise exception

    ここで、exceptionは発生させたい例外オブジェクトです。例えば、以下のようにして自分で定義した例外を発生させることができます。

    class MyException(Exception):
        pass
    
    raise MyException("例外が発生しました")

    この例では、自分で定義したMyExceptionという例外クラスを定義し、raise文を使ってその例外を発生させています。例外オブジェクトには、任意の引数を渡すことができます。

    また、Pythonには組み込みの例外クラスがあります。例えば、以下のようにしてZeroDivisionErrorを発生させることができます。

    x = 0
    
    if x == 0:
        raise ZeroDivisionError("0で割り算が発生しました")

    この例では、xが0である場合にZeroDivisionErrorを発生させています。

    raise文を使うことで、プログラムの特定の箇所で強制的に例外を発生させることができます。例外を発生させることで、エラー処理を行うための情報を提供したり、処理の中断を行ったりすることができます。

    実践的な例外処理の使い方

    例外処理は、プログラムが正常に実行できない状況に遭遇した場合に、プログラムを安全かつ正常に終了させるために使われます。ここでは、実際に例外処理を使って、プログラムの安定性を向上させる方法を紹介します。

    入力のバリデーション

    プログラムに対する入力値のバリデーションは、例外処理の最も一般的な用途の1つです。たとえば、ユーザーが入力した値が正しいフォーマットであるかどうかを確認するために、try-except文を使用することができます。以下は、例外処理を使用してユーザーの入力値をバリデーションする例です。

    try:
        age = int(input("年齢を入力してください: "))
    except ValueError:
        print("有効な数字を入力してください")

    この例では、ユーザーが入力した値を整数に変換しようとしています。もしユーザーが数値以外の値を入力した場合には、ValueErrorが発生します。try-except文を使用して、この例外を捕捉し、ユーザーに正しい入力を促すメッセージを表示することができます。

    ファイルの読み込み

    ファイルの読み込み時に、存在しないファイルやアクセスできないファイルを開こうとした場合には、FileNotFoundErrorまたはPermissionErrorが発生します。try-except文を使用して、この例外を処理することができます。以下は、ファイルの読み込み時に例外処理を行う例です。

    try:
        with open("sample.txt", "r") as f:
            print(f.read())
    except FileNotFoundError:
        print("ファイルが見つかりません")
    except PermissionError:
        print("ファイルにアクセスできません")

    この例では、sample.txtというファイルを読み込もうとしています。もしファイルが見つからない場合には、FileNotFoundErrorが発生します。同様に、ファイルにアクセスできない場合には、PermissionErrorが発生します。try-except文を使用して、これらの例外を処理し、ユーザーに適切なエラーメッセージを表示することができます。

    API通信での例外処理

    APIを利用する際に、指定したエンドポイントが存在しない場合や、接続がタイムアウトした場合、HTTPErrorConnectionErrorなどの例外が発生することがあります。

    import requests
    
    try:
        response = requests.get('https://example.com/api/v1/users')
        response.raise_for_status()
    except requests.exceptions.HTTPError:
        print('指定されたエンドポイントは存在しません。')
    except requests.exceptions.ConnectionError:
        print('サーバーに接続できませんでした。')
    else:
        print(response.json())

    このように、requestsモジュールのgetメソッドでAPIにリクエストを送り、raise_for_statusメソッドでHTTPエラーが発生した場合に例外を発生させ、適切なエラーメッセージを表示することができます。

    独自例外

    プログラムに特有のエラーに対して、開発者が独自に例外を定義することができます。独自例外は、標準例外と同様にtry-except文でキャッチすることができます。

    独自例外を定義するには、以下のようにExceptionクラスを継承したクラスを作成します。

    class MyException(Exception):
        pass

    上記の例では、MyExceptionという名前の例外クラスを定義しています。この例外クラスをraise文で発生させることができます。

    例外の種類には、標準例外や独自例外などがあります。例外処理を行う際には、発生する可能性のある例外の種類を把握しておくことが重要です。

    まとめ

    Pythonの例外処理の基礎から実践的な使い方までを解説しました。

    • 例外処理はプログラムの信頼性を高めるために必要不可欠な機能である。
    • Pythonには多くの例外があるが、try-except文を使ってそれらの例外をキャッチすることができる。
    • try-except-else文を使うと、例外が発生しなかった場合に実行するコードを指定することができる。
    • finally文を使うと、例外の有無にかかわらず必ず実行されるコードを指定することができる。
    • raise文を使うと、意図的に例外を発生させることができる。

    try-except文やraise文の使い方を理解することで、プログラムの品質を向上させることができると感じました。

    例外処理は、プログラムが予期しないエラーに遭遇した場合に役立ちます。適切な例外処理を実装することで、プログラムがクラッシュすることを防止し、エラーを追跡・解決するための情報を提供することができます。例外処理を実装する際には、プログラムの仕様に応じて適切な例外を選択し、的確に処理するように心がけましょう。

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