JavaScript クッキーを操作する:設定・取得・削除・更新方法とChromeでの確認手順

この記事では、JavaScriptを使用してクッキーを設定・取得・削除・更新する方法を詳しく解説します。

クッキーを設定する方法について教えてください。

クッキーを設定するには、document.cookieプロパティを使用します。この記事では、JavaScriptを使ってクッキーの設定・取得・削除・更新方法を詳細に解説しています。

目次

クッキーとは

 クッキーは、ウェブサイトがブラウザに送信して、ユーザーのデバイス(コンピューターやスマートフォン)に保存される小さなテキストファイルです。クッキーは、ウェブページがユーザーの状況や設定を記憶し、後で参照できるようにすることで、ウェブブラウジングの利便性を向上させます。

クッキーの主な用途

クッキーの主な用途には以下のようなものがあります。

  1. セッション管理:
    • ログイン情報やショッピングカートの内容など、ユーザーがウェブサイトで行った操作を追跡・管理します。
  2. パーソナライゼーション:
    • ユーザーの好みや設定(例:言語設定、テーマ、レイアウトなど)を保存し、カスタマイズされたコンテンツを提供します。
  3. トラッキング:
    • ユーザーの行動や履歴を追跡し、広告やマーケティング活動に活用します。

クッキーの種類

クッキーの種類には以下の様なものがあります。

  1. セッションクッキー:
    • セッションクッキーは、ユーザーがウェブサイトを閲覧している間だけ有効で、ブラウザを閉じると自動的に削除されます。主にログイン情報などの一時的なデータを保持するために使用されます。
  2. 永続クッキー:
    • 永続クッキーは、設定された期間(例:30日)が経過するまで、ユーザーのデバイスに保存され続けます。これにより、ユーザーがウェブサイトに再訪問した際に、前回の設定や状況を引き継ぐことができます。
  3. サードパーティクッキー:
    • サードパーティクッキーは、訪問しているウェブサイト以外のドメイン(例:広告配信会社)から発行されるクッキーです。これにより、ユーザーの閲覧履歴や行動を複数のウェブサイト間で追跡し、ターゲティング広告や分析に活用されます。

 クッキーを利用する際は、プライバシー保護や法的規制に留意し、適切に使用してください。ユーザーに対してクッキーの使用目的や種類を適切に説明し、必要に応じて同意を得ることが重要です。

 特に、EU域内では一般データ保護規則(GDPR)が適用され、クッキーの使用に関して厳格なルールが定められています。適切な情報提供と同意取得プロセスを実装することで、ユーザーのプライバシーを尊重し、法的な問題を回避できます。

document.cookieプロパティとは

 document.cookieプロパティは、JavaScriptを使ってウェブページのクッキーにアクセスし、操作するためのプロパティです。

これにより、ウェブサイトの開発者は、クッキーを読み取り、作成、更新、削除することができます。このプロパティを利用することで、ウェブページの状態管理やユーザー設定の保存など、様々な機能を実装することが可能になります。

document.cookieプロパティの主な特徴

以下はdocument.cookieプロパティの主な特徴です。

  1. 読み取り:
    • document.cookieプロパティにアクセスすることで、ウェブページに関連付けられたすべてのクッキーをセミコロン区切りの文字列形式で取得できます。
  2. 作成・更新:
    • document.cookieプロパティに文字列を代入することで、新しいクッキーを作成したり、既存のクッキーを更新したりすることができます。その際、クッキー名、値、有効期限、パス、ドメイン、セキュア属性などの情報を指定できます。
  3. 削除:
    • クッキーを削除するには、document.cookieプロパティに過去の有効期限を設定したクッキー情報を代入します。これにより、ブラウザがクッキーを無効にし、削除します。
ワンポイント
  • document.cookieプロパティは、HTTP-only属性が設定されたクッキーにはアクセスできません。HTTP-only属性が設定されたクッキーは、ブラウザとサーバー間の通信でのみ使用され、JavaScriptを介したアクセスが制限されます。これにより、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃などのセキュリティリスクを軽減できます。
  • クッキーの使用には、プライバシー保護や法的規制に留意し、適切に使用してください。ユーザーに対してクッキーの使用目的や種類を適切に説明し、必要に応じて同意を得ることが重要です。

クッキーをコントロールする主要な関数

以下の表は、クッキーをコントロールするための主要な関数をまとめたものです。

関数名引数機能使用例
setCookiename, value, daysクッキーを設定するsetCookie(‘username’, ‘JohnDoe’, 7)
getCookienameクッキーの値を取得するlet username = getCookie(‘username’)
deleteCookienameクッキーを削除するdeleteCookie(‘username’)
updateCookiename, newValue, newDays (オプション)クッキーを更新する(新しい値と有効期限を設定する)updateCookie(‘username’, ‘JaneDoe’)
クッキーをコントロールする主要な関数

以下に各関数の実装例を示します。

// クッキーを設定する関数
function setCookie(name, value, days) {
  let date = new Date();
  date.setTime(date.getTime() + (days * 24 * 60 * 60 * 1000));
  let expires = "; expires=" + date.toUTCString();
  document.cookie = name + "=" + value + expires + "; path=/";
}

// クッキーを取得する関数
function getCookie(name) {
  let cookieName = name + "=";
  let decodedCookie = decodeURIComponent(document.cookie);
  let cookies = decodedCookie.split(';');
  
  for (let i = 0; i < cookies.length; i++) {
    let cookie = cookies[i].trim();
    if (cookie.indexOf(cookieName) === 0) {
      return cookie.substring(cookieName.length, cookie.length);
    }
  }
  return "";
}

// クッキーを削除する関数
function deleteCookie(name) {
  setCookie(name, "", -1);
}

// クッキーを更新する関数
function updateCookie(name, newValue, newDays = null) {
  let existingCookieValue = getCookie(name);
  if (existingCookieValue !== "") {
    let days = newDays ? newDays : getCookieDays(name);
    setCookie(name, newValue, days);
  }
}

// クッキーの有効期限(日数)を取得する補助関数
function getCookieDays(name) {
  // この関数は、クッキーの作成時に有効期限を取得するために使用されます。
  // 必要に応じて実装を追加してください。
}

サンプルプログラムを使った解説:クッキーの作成、読み取り、削除

 以下のサンプルプログラムでは、JavaScriptのdocument.cookieプロパティを使ってクッキーを作成、読み取り、削除する方法を説明します。

// クッキーを設定する関数
function setCookie(name, value, days) {
  let date = new Date();
  date.setTime(date.getTime() + (days * 24 * 60 * 60 * 1000));
  let expires = "; expires=" + date.toUTCString();
  document.cookie = name + "=" + value + expires + "; path=/";
}

// クッキーを取得する関数
function getCookie(name) {
  let cookieName = name + "=";
  let decodedCookie = decodeURIComponent(document.cookie);
  let cookies = decodedCookie.split(';');
  
  for (let i = 0; i < cookies.length; i++) {
    let cookie = cookies[i].trim();
    if (cookie.indexOf(cookieName) === 0) {
      return cookie.substring(cookieName.length, cookie.length);
    }
  }
  return "";
}

// クッキーを削除する関数
function deleteCookie(name) {
  setCookie(name, "", -1);
}

// クッキーを設定する例
setCookie("username", "JohnDoe", 7);

// クッキーを取得する例
let username = getCookie("username");
console.log("username: " + username);

// クッキーを削除する例
deleteCookie("username");

setCookie関数では、クッキーの名前、値、有効期限(日数)を引数として受け取り、document.cookieプロパティに代入してクッキーを作成します。

getCookie関数では、クッキーの名前を引数として受け取り、document.cookieプロパティから該当するクッキーの値を取得します。クッキーが見つからない場合、空文字列を返します。

deleteCookie関数では、クッキーの名前を引数として受け取り、過去の有効期限を設定してクッキーを削除します。これは、setCookie関数を利用して、-1日の有効期限を設定することで実現されます。

Chromeでクッキーを確認する方法:開発者ツールを利用したクッキーの確認

Google Chromeブラウザでクッキーを確認する方法は、開発者ツール(DevTools)を利用して行います。以下に手順を説明します。

  1. 開発者ツールを開く:
    • ウェブページを開いた状態で、キーボードショートカットCtrl + Shift + I(Windows)またはCmd + Opt + I(Mac)を押すか、右上のメニューアイコン(3つの点)をクリックし、「その他のツール」>「開発者ツール」を選択して開発者ツールを開きます。
  2. Applicationタブへ移動:
    • 開発者ツールの上部にあるタブ群から「Application」タブをクリックします。タブが表示されていない場合は、「>>」アイコンをクリックして表示されるメニューから「Application」を選択します。
  3. クッキーを確認する:
    • 左側のサイドバーで「Storage」セクションを展開し、「Cookies」をクリックしてサブメニューを開きます。その後、ドメイン名(例:https://example.com)をクリックすると、そのドメインに関連付けられたクッキーがリストとして表示されます。このリストでは、クッキーの名前、値、ドメイン、パス、有効期限、サイズ、セキュア属性、HTTP-only属性などの詳細情報が確認できます。
  4. クッキーを削除・編集する(オプション):
    • 必要に応じて、表示されたクッキーリストでクッキーを削除・編集することもできます。クッキーを削除するには、対象のクッキーを選択し、Deleteキーを押します。また、クッキーの値や有効期限などの情報を編集するには、対象のセルをダブルクリックして編集モードにし、変更を加えた後にEnterキーを押して保存します。

これらの手順に従って、Chromeブラウザでクッキーを確認・操作することができます。開発者ツールは、ウェブページのデバッグや分析に役立つ強力な機能を提供しており、クッキーの管理だけでなく、様々な用途で利用できます。

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まとめ

クッキーを設定・取得・削除・更新する方法を解説しました。

  • JavaScriptのdocument.cookieプロパティを使ってクッキーを設定・取得・削除できる。
  • クッキーはウェブページの状態管理やユーザー設定の保存に役立つ。
  • プライバシー保護や法的規制に留意し、適切に使用することが重要。
  • Chromeでクッキーを確認するには、開発者ツールの「Application」タブを利用する。
  • 開発者ツールでは、クッキーの編集・削除も可能。

クッキーの設定方法や確認方法が分かりやすく理解できました。今後ウェブ開発に役立てたいと思います。

ウェブ開発において、クッキーは非常に便利な機能ですが、ユーザーのプライバシーや法的規制に配慮して使用してください。

document.cookieプロパティ以外にも、より安全で柔軟なクッキー操作を実現するためのライブラリや、新しい技術(例:Web Storage API)も存在しますので、それらも検討してみることをお勧めします。これからのウェブ開発に役立ててください。

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