JavaScript ページをスクロールする方法:指定位置、指定量、特定の要素へのスクロール

 JavaScriptを使ったページスクロールの方法を、指定位置へのスクロール、指定量だけのスクロール、特定の要素までのスクロールに分けて解説します。

JavaScriptを使ってページスクロールを実装したいのですが、具体的な方法を教えていただけますか?

ページスクロールを実現する方法はいくつかありますが、今回は主に以下の3つの方法について解説します。
・指定位置へのスクロール
・指定量だけのスクロール
・特定の要素までのスクロール

目次

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    指定位置までスクロールする方法

    ページを指定の位置までスクロールするには、scrollToメソッドを使います。scrollToメソッドは、引数に渡したx座標とy座標に指定した位置までスクロールします。

    具体的には、以下のように書きます。

    // x座標0、y座標500pxまでスクロール
    window.scrollTo(0, 500);

    上記の例では、x座標を0に、y座標を500に指定しています。この場合、ページの一番上から500pxの位置までスクロールされます。

    また、引数にオブジェクトを渡して指定することもできます。以下のように書きます。

    // x座標0、y座標500pxまでスクロール
    window.scrollTo({
      top: 500,
      left: 0,
      behavior: 'smooth'
    });

    上記の例では、topプロパティに500、leftプロパティに0を指定しています。さらに、behaviorプロパティに’smooth’を指定することで、スクロールをスムーズに行うことができます。

    サンプルプログラムを使った解説

    以下のサンプルプログラムでは、ボタンをクリックしたらページの一番下までスクロールするようになっています。クリックイベントが発生した際に、scrollToメソッドを使用してページの一番下までスクロールしています。

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
      <title>指定位置までスクロールする方法</title>
    </head>
    <body>
      <button onclick="scrollToBottom()">ページの一番下までスクロールする</button>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <p>...</p>
      <script>
        function scrollToBottom() {
          window.scrollTo({
            top: document.body.scrollHeight,
            left: 0,
            behavior: 'smooth'
          });
        }
      </script>
    </body>
    </html>

    指定量だけスクロールする方法

    指定量だけスクロールする場合には、scrollByメソッドを使用します。scrollByメソッドは、現在のスクロール位置から指定量だけスクロールすることができます。

    以下は、スクロール量を200pxに指定して、現在のスクロール位置から200pxだけスクロールするコードの例です。

    window.scrollBy(0, 200);

    このように、scrollByメソッドの第1引数には水平方向のスクロール量を、第2引数には垂直方向のスクロール量を指定します。上記の例では、第1引数に0を指定しているため、水平方向のスクロールは行われません。

    また、指定量だけスクロールする際には、現在のスクロール位置に対して相対的にスクロールするため、どの位置から呼び出しても同じ結果が得られます。

    サンプルプログラムを使った解説

    以下は、ボタンがクリックされた時にスクロール量を指定してスクロールを行うサンプルコードです。

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
      <meta charset="UTF-8">
      <title>ScrollBy Sample</title>
    </head>
    <body>
      <button id="scrollBtn">Scroll Down</button>
    
      <script>
        const scrollBtn = document.getElementById('scrollBtn');
        scrollBtn.addEventListener('click', () => {
          window.scrollBy(0, 200);
        });
      </script>
    </body>
    </html>

    上記のコードでは、ボタンがクリックされた時にwindowオブジェクトのscrollByメソッドを呼び出して、垂直方向に200pxだけスクロールしています。

    特定の要素までページをスクロールする方法

    特定の要素までスクロールする場合には、scrollIntoViewメソッドを使用します。scrollIntoViewメソッドは、指定された要素が表示されるようにスクロールすることができます。

    以下は、idが”target”の要素までスクロールするコードの例です。

    const targetElement = document.getElementById("target");
    targetElement.scrollIntoView();

    このように、scrollIntoViewメソッドを呼び出すことで、指定された要素が表示されるようにスクロールされます。また、引数を省略した場合は、引数に指定した要素がウィンドウの中央に表示されるようにスクロールされます。

    const targetElement = document.getElementById("target");
    targetElement.scrollIntoView({ behavior: "smooth" });

    scrollIntoViewメソッドには、scroll-behaviorプロパティで定義された”auto”または”smooth”の2つの動作モードを指定することができます。”smooth”を指定することで、スクロールが滑らかになります。

    サンプルプログラムを使った解説

    以下は、リンクがクリックされた時に特定の要素までスクロールするサンプルコードです。

    <!DOCTYPE html>
    <html>
    <head>
      <meta charset="UTF-8">
      <title>ScrollIntoView Sample</title>
      <style>
        #target {
          height: 1000px;
          background-color: red;
        }
      </style>
    </head>
    <body>
      <a href="#" id="scrollLink">Scroll to Target</a>
      <div id="target"></div>
    
      <script>
        const scrollLink = document.getElementById('scrollLink');
        const targetElement = document.getElementById('target');
        scrollLink.addEventListener('click', (event) => {
          event.preventDefault();
          targetElement.scrollIntoView({ behavior: 'smooth' });
        });
      </script>
    </body>
    </html>

    上記のコードでは、リンクがクリックされた時に、idが”target”の要素までスクロールしています。scrollIntoViewメソッドの引数には、スムーズなスクロール動作を行うように指定しています。

    CSSのscroll-behaviorプロパティについて

     「scroll-behavior」とは、CSSのプロパティの一つで、要素のスクロール動作を指定するために使用されます。

    scroll-behaviorプロパティには、3つの値が用意されています。

    1. auto:デフォルトのスクロール動作を行います。
    2. smooth:スムーズなスクロール動作を行います。
    3. initial:初期値に戻します。

     scroll-behaviorプロパティは、単体で使用することもできますが、JavaScriptでスクロール動作を実装する際にも有用です。例えば、scrollToメソッドを使用する際に、スムーズなスクロール動作を実現するために、以下のようにCSSのscroll-behaviorプロパティを設定することができます。

    html {
      scroll-behavior: smooth;
    }

     この設定をすることで、JavaScriptのscrollToメソッドを使用して指定位置までスクロールする場合でも、スムーズなアニメーション付きでスクロールが行われます。

    ただし、scroll-behaviorプロパティは、すべてのブラウザで完全にサポートされているわけではありません。そのため、スクロール動作を実装する際には、ブラウザ間の差異に注意して設計する必要があります。また、スムーズなスクロールがあまりにも速すぎると、ユーザーにとっては迷惑になることもあるため、適度な速度設定を行うことも大切です。

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    まとめ

     JavaScriptを使ったページスクロールの方法を、指定位置へのスクロール、指定量だけのスクロール、特定の要素までのスクロールに分けて解説しました。

    • JavaScriptを使って、ページ内でスクロールを制御することができる。
    • スクロールする方法には、指定位置までスクロールする方法、指定量だけスクロールする方法、特定の要素までスクロールする方法がある。
    • 指定位置までスクロールする場合は、scrollToメソッドを使い、指定量だけスクロールする場合はscrollByメソッドを使う。
    • 特定の要素までスクロールする場合は、その要素に対してscrollIntoViewメソッドを使う。

    これらのスクロール制御を使って、ページ内の要素をより使いやすくできそうです!

    スクロール制御は、ユーザーの体験に大きく影響するため、実装時には注意が必要です。特にスムーズなスクロールを実現するためには、CSSのscroll-behaviorプロパティと組み合わせることが重要です。

    また、スクロール動作を実装する場合は、様々なシナリオを想定して動作をテストすることをおすすめします。これらの工夫をすることで、ユーザーにとって快適で使いやすいページを実現することができます。

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