PHP 型変換を解説: (int), (string)キャストとintval()関数の使い方

PHPで多様なデータ型を正確に変換する方法を、サンプルと共に解説します。

PHPで様々な型への変換をどのように行うんですか?(int)や(string)、さらにはboolやarrayまで含めたキャスト方法が知りたいです。

PHPでは、(int)や(string)をはじめ、(bool)や(array)などを使用した型キャストを通じて、さまざまな型への変換が可能です。それぞれのキャスト方法と関数の使い方をサンプルプログラムを交えて説明しましょう。

目次

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    型キャストとは?

    型キャストとは、プログラミングにおいて、変数や値のデータ型を別のデータ型に変換する操作のことを指します。

    この操作は、プログラムが正しく動作するために必要な場合や、特定のデータ型での処理を強制したい場合に使用されます。型キャストは、データ型の違いによって発生するエラーを避けるため、または特定の演算を実行するためにしばしば行われます。

    PHPでは、明示的な型キャストと暗黙的な型変換の二つの方法があります。明示的な型キャストでは、開発者がコード内で明確にデータ型を指定し、変換を行います。例えば、整数を文字列に変換したい場合は(string)キャストを使用し、$number = 10; $stringNumber = (string)$number;のように記述します。

    一方、暗黙的な型変換では、PHPの内部的な処理により自動的に型変換が行われます。例えば、文字列と整数を足し合わせると、文字列が整数に自動的に変換されて演算が行われます。

    型キャストを行う際は、変換後のデータ型が元のデータの意味や精度を損なわないように注意する必要があります。

    整数への型キャスト方法

    PHPで整数への型キャストを行う方法には、主に以下の2つがあります。これらの方法を用いることで、文字列や浮動小数点数など、他のデータ型の値を整数型に変換できます。

    1. キャスト演算子を使用する方法

    キャスト演算子(int)または(integer)を使用して、値を明示的に整数型に変換する方法です。この方法は、コード内で型を明確に指定し、開発者の意図する型変換を実行する場合に適しています。

    サンプルプログラム:

    $floatValue = 10.75;
    $intValue = (int)$floatValue; // 浮動小数点数を整数にキャスト
    echo $intValue; // 10

    この例では、浮動小数点数10.75を整数10に変換しています。小数点以下は切り捨てられることに注意してください。

    2. intval() 関数を使用する方法

    intval()関数を使用して、指定された値を整数に変換します。この関数は、変数が数値形式の文字列や浮動小数点数である場合に特に便利です。

    サンプルプログラム:

    $stringValue = "123.45";
    $intValue = intval($stringValue); // 文字列を整数に変換
    echo $intValue; // 123

    この例では、数値形式の文字列"123.45"を整数123に変換しています。こちらも小数点以下は切り捨てられます。

    文字列への型キャスト方法

    PHPにおいて、文字列への型キャストを行う方法は主に以下の2つがあります。これらの方法を通じて、整数や浮動小数点数、論理値など、様々なデータ型の値を文字列型に変換することができます。

    1. キャスト演算子を使用する方法

    キャスト演算子(string)を用いて、値を明示的に文字列型に変換する方法です。この手法は、コード内でデータ型を明確に示したい場合に適しています。

    サンプルプログラム:

    $intValue = 10;
    $stringValue = (string)$intValue; // 整数を文字列にキャスト
    echo $stringValue; // "10"

    この例では、整数10を文字列"10"に変換しています。型キャストを行った結果、数値が文字列形式で格納されます。

    2. strval() 関数を使用する方法

    strval()関数を使用して、指定された値を文字列に変換する方法です。この関数は、任意のデータ型の値を文字列に変換する際に便利です。

    サンプルプログラム:

    $boolValue = true;
    $stringValue = strval($boolValue); // 論理値を文字列に変換
    echo $stringValue; // "1"

    この例では、論理値trueが文字列"1"に変換されています。strval()関数は、変換対象のデータ型に関係なく、一貫して文字列形式の値を返します。

    論理値への型キャスト方法

    PHPで論理値(真偽値)への型キャストを行う方法は、基本的に以下のようになります。これにより、整数、文字列、浮動小数点数など、他のデータ型の値を論理値型(trueまたはfalse)に変換することができます。

    1. キャスト演算子を使用する方法

    キャスト演算子(bool)またはその同義語(boolean)を使用して、明示的に値を論理値に変換します。この方法は、コード内での型変換を明確に示したい時に適しています。

    サンプルプログラム:

    $intValue = 0;
    $boolValue = (bool)$intValue; // 整数を論理値にキャスト
    echo $boolValue ? 'true' : 'false'; // false

    この例では、整数0が論理値falseに変換されています。PHPでは、00.0、空文字列""、文字列"0"NULL、空の配列[]は、論理値にキャストするとfalseと評価されます。

    2. 自動型変換を利用する方法

    PHPでは、条件文内で自動的に論理値への型変換が行われます。この振る舞いは、式が真(true)または偽(false)として評価されるかを判断する際に利用されます。

    サンプルプログラム:

    $stringValue = "Hello, world!";
    if ($stringValue) {
        echo "This string is considered true."; // この文字列は真と見なされる
    }

    この例では、非空の文字列"Hello, world!"は自動的にtrueと評価され、条件文の中でtrueとして扱われます。

    配列への型キャスト方法

    PHPで配列への型キャストを行う方法は、他の型の値を配列型に変換する際に使用されます。これにより、スカラー値やオブジェクトなど、異なるデータ型を配列の要素として保持する新しい配列を作成することができます。

    1. キャスト演算子を使用する方法

    キャスト演算子(array)を使用して、特定の値を明示的に配列に変換します。この方法は、ある値を配列の一部として操作したい場合に特に便利です。

    サンプルプログラム:

    $stringValue = "Hello, world!";
    $arrayValue = (array)$stringValue; // 文字列を配列にキャスト
    print_r($arrayValue); // Array ( [0] => Hello, world! )

    この例では、文字列"Hello, world!"が配列に変換され、その文字列が配列の最初の要素として格納されています。

    2. スカラー値を配列に変換する

    スカラー値(整数、文字列、論理値、浮動小数点数)も(array)キャストを使用して配列に変換できます。変換されたスカラー値は、配列の最初の要素として設定されます。

    サンプルプログラム:

    $intValue = 10;
    $arrayValue = (array)$intValue; // 整数を配列にキャスト
    print_r($arrayValue); // Array ( [0] => 10 )

    この例では、整数10が配列の要素に変換されています。

    3. オブジェクトを配列に変換する

    オブジェクトも(array)キャストを使用して配列に変換可能です。この場合、オブジェクトの公開プロパティが配列の要素となります。

    サンプルプログラム:

    $object = new stdClass();
    $object->name = "John";
    $object->age = 30;
    $arrayValue = (array)$object; // オブジェクトを配列にキャスト
    print_r($arrayValue);

    この例では、オブジェクトに設定されたnameageプロパティが、配列のキーと値として変換されています。

    オブジェクトへの型キャスト方法

    PHPにおいてオブジェクトへの型キャストを行う方法は、主に配列や他のオブジェクトから、新しいオブジェクトのインスタンスへの変換を指します。この変換を利用することで、データ構造を柔軟に扱うことが可能になります。

    1. キャスト演算子を使用する方法

    キャスト演算子(object)を用いて、特定の値を明示的にオブジェクトに変換します。この方法は、配列をオブジェクトに変換したい時などに特に有効です。

    サンプルプログラム:

    $array = ['name' => 'John', 'age' => 30];
    $object = (object)$array; // 配列をオブジェクトにキャスト
    echo $object->name; // John

    この例では、連想配列がオブジェクトに変換され、配列のキーがオブジェクトのプロパティ名としてアクセス可能になります。

    2. 配列をオブジェクトに変換する

    配列をオブジェクトに変換する場合、配列のキーはオブジェクトのプロパティとなり、値はそのプロパティの値として設定されます。これは(object)キャストを使用することで簡単に実行できます。

    サンプルプログラム:

    $array = ['first' => 'John', 'last' => 'Doe'];
    $personObject = (object)$array;
    echo $personObject->first; // John

    3. スカラー値をオブジェクトに変換する

    スカラー値(文字列、整数、浮動小数点数、論理値)をオブジェクトに変換することはあまり一般的ではありませんが、(object)キャストを用いることで実現できます。この場合、変換されたオブジェクトはスカラー値を保持するプロパティを持ちません。

    サンプルプログラム:

    $value = "Hello, world!";
    $object = (object)$value;
    // スカラー値を直接オブジェクトに変換した場合、プロパティにアクセスする標準的な方法はありません。

    型キャストのまとめ表

    型キャストを効果的に理解し使用するためのまとめ表を以下に示します。この表は、PHPにおける主要なデータ型の変換方法とその結果を概観するものです。

    元の型変換後の型キャスト方法使用例結果の説明
    文字列整数(int)またはintval()(int)"10"文字列”10″が整数10に変換される
    整数文字列(string)またはstrval()(string)10整数10が文字列”10″に変換される
    文字列論理値(bool)(bool)"false"非空の文字列はtrueに変換される
    整数論理値(bool)(bool)00はfalseに、それ以外の値はtrueに変換される
    配列オブジェクト(object)(object)['name' => 'John']配列がオブジェクトに変換され、キーがプロパティ名になる
    オブジェクト配列(array)(array)$objectオブジェクトが配列に変換され、プロパティが配列のキーと値になる
    スカラー値配列(array)(array)100スカラー値が配列の唯一の要素になる
    スカラー値オブジェクト(object)(object)"hello"スカラー値を含むオブジェクトが作成されるが、直接アクセス可能なプロパティは作成されない

    まとめ

    PHPで多様なデータ型を正確に変換する方法を、サンプルと共に解説しました。

    • 整数への型キャスト: (int)intval()関数を使います。非数値の文字列を整数に変換しようとすると、結果は0になります。
    • 文字列への型キャスト: (string)strval()関数を用いて行います。数値、論理値を含む様々な値が文字列に変換可能です。
    • 論理値への型キャスト: (bool)を使用します。特定の値はfalseに変換されますが、それ以外はtrueになります。
    • 配列への型キャスト: (array)キャストを使います。スカラー値、オブジェクトが配列の要素やキーと値のペアに変換されます。
    • オブジェクトへの型キャスト: (object)キャストを使用します。配列がオブジェクトに変換されると、配列のキーがオブジェクトのプロパティ名になります。

    PHPにおける型キャストは、コードの動作をコントロールし、期待する出力を得るために非常に重要です。

    今回紹介したキャスト方法を適切に使い分けることで、より堅牢で読みやすいコードを書くことができます。

    型キャストを行う際には、変換後のデータ型が元のデータの意味や精度を損なわないよう注意し、特にデータ損失が発生しうる場合(例えば、浮動小数点数を整数に変換する場合など)は慎重に検討する必要があります。

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