Pythonで効果的にMultiindexを操作する方法 – 指定・追加・解除・ソート・レベル変更について解説

この記事では、PythonのpandasライブラリにおけるMultiindexの指定、追加、解除、ソートの方法を詳しく解説します。

PythonのpandasでMultiindexを扱う方法について教えてください。

Multiindexの指定や追加、解除、ソートといった操作方法について解説しましょう。

目次

Multiindexとは

Multiindex(マルチインデックス)は、pandasライブラリにおいて、データフレームのインデックスを複数の階層で構成する方法です。通常、データフレームのインデックスは1つのレベルで構成されますが、Multiindexを使用することで、2つ以上のレベルでインデックスを設定することができます。

Multiindexは、データの階層的な構造や複数の要素でのグループ化を表現するのに役立ちます。

例えば、時間と場所に基づいてデータを分類したい場合、Multiindexを使用して時間を1つのレベル、場所をもう1つのレベルとしてインデックスを構築することができます。

Multiindexを使用すると、データのより詳細な分析や効率的なデータ操作が可能になります。データフレームの行または列を特定の階層や値で選択したり、階層間でのソートやグループ化を行ったりすることができます。

Multiindexの指定方法

Multiindexを指定するには、pandasのset_index()メソッドを使用します。このメソッドを使うと、既存のデータフレームのカラムをインデックスとして指定することができます。

以下の手順でMultiindexを指定します:

データフレームを用意します。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']})

df = df.set_index(['A', 'B'])

set_index()メソッドを使用して、カラムをインデックスとして指定します。複数のカラムを指定する場合は、カラム名をリストで渡します。

上記の例では、カラム’A’とカラム’B’をMultiindexとして指定しています。

もしくは、set_index()メソッドを直接チェインすることもできます。

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']}).set_index(['A', 'B'])

Multiindexが正しく指定されたか確認するために、データフレームを表示します。

print(df)

出力結果は以下のようになります:

      C
A B   
1 5   X
2 6   Y
3 7   Z
4 8   W

インデックスの左側に’A’、右側に’B’が表示されており、Multiindexが正しく指定されていることが確認できます。

Multiindexの追加方法

既存のデータフレームに新しいMultiindexを追加するには、set_index()メソッドを再度使用するか、MultiIndex.from_arrays()メソッドを使うことができます。以下の手順でそれぞれの方法を解説します。

方法1: set_index()メソッドを使用する方法

データフレームを用意します。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']})

既存のMultiindexに新しいレベルを追加するために、set_index()メソッドを使用します。既存のMultiindexを含むカラムやリストを渡します。

df = df.set_index(['A', 'B'])

新しいMultiindexを追加するために、再度set_index()メソッドを使用します。新しいMultiindexの値を持つカラムやリストを渡します。

df = df.set_index(['C'], append=True)

上記の例では、既存のMultiindexに新しいレベルとしてカラム’C’を追加しています。append=Trueを指定することで、既存のMultiindexを保持しながら新しいMultiindexが追加されます。

もしくは、set_index()メソッドを直接チェインすることもできます。

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']}).set_index(['A', 'B']).set_index(['C'], append=True)

Multiindexの追加が正しく行われたか確認するために、データフレームを表示します。

print(df)

出力結果は以下のようになります:

        D
A B C   
1 5 X  ...
2 6 Y  ...
3 7 Z  ...
4 8 W  ...

インデックスの左側に’A’、中央に’B’、右側に’C’が表示されており、新しいMultiindexが正しく追加されていることが確認できます。

方法2: MultiIndex.from_arrays()メソッドを使用する方法

MultiIndex.from_arrays()メソッドは、既存のデータからMultiindexを作成するための便利な方法です。複数のリストや配列を使用して、新しいMultiindexを作成することができます。

以下の手順でMultiIndex.from_arrays()メソッドを使用してMultiindexを追加します:

データフレームを用意します。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']})

Multiindexにする複数のリストや配列を用意します。

index_values = [['A', 'A', 'B', 'B'], [1, 2, 1, 2]]

上記の例では、リスト['A', 'A', 'B', 'B']とリスト[1, 2, 1, 2]を使ってMultiindexを作成する準備をしています。それぞれのリストがMultiindexの1つのレベルを表します。

MultiIndex.from_arrays()メソッドを使用して、新しいMultiindexを作成し、データフレームのインデックスとして設定します。

df.index = pd.MultiIndex.from_arrays(index_values, names=['Level1', 'Level2'])

上記の例では、MultiIndex.from_arrays()メソッドを使用して、index_valuesリストを基に新しいMultiindexを作成しています。namesパラメータを使用して、各レベルに名前を付けることができます。

Multiindexが正しく追加されたことを確認するために、データフレームを表示します。

print(df)
           C
Level1 Level2   
A      1      X
       2      Y
B      1      Z
       2      W

インデックスの左側にLevel1、右側にLevel2が表示されており、新しいMultiindexが正しく追加されていることが確認できます。

MultiIndex.from_arrays()メソッドを使用することで、複数のリストや配列から簡単に新しいMultiindexを作成し、データフレームのインデックスとして設定することができます。

Multiindexの解除方法

Multiindexを解除して通常のインデックスに戻す方法として、reset_index()メソッドを使用します。このメソッドを使うことで、Multiindexが削除され、データフレームの行番号に連番のインデックスが再設定されます。

以下の手順でMultiindexを解除します:

Multiindexを持つデータフレームを用意します。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']})
df = df.set_index(['A', 'B'])

reset_index()メソッドを使用してMultiindexを解除します。

df = df.reset_index()

上記の例では、reset_index()メソッドを呼び出すことでMultiindexが解除され、データフレームの行番号に連番のインデックスが再設定されます。

もしくは、reset_index()メソッドを直接チェインすることもできます。

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']}).set_index(['A', 'B']).reset_index()

Multiindexが解除され、通常のインデックスに戻ったことを確認するために、データフレームを表示します。

print(df)

出力結果は以下のようになります:

   A  B  C
0  1  5  X
1  2  6  Y
2  3  7  Z
3  4  8  W

インデックスが連番の行番号として表示されていることが確認できます。

reset_index()メソッドを使用することで、Multiindexを解除して通常のインデックスに戻すことができます。これにより、データフレームの操作や解析をより簡単に行うことができます。

Multiindexのソート方法

Multiindexを特定の軸や値を基準にソートするためには、sort_index()メソッドを使用します。このメソッドを使うことで、Multiindexを持つデータフレームを任意の順序でソートすることができます。

以下の手順でMultiindexをソートします:

Multiindexを持つデータフレームを用意します。

import pandas as pd

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']})
df = df.set_index(['A', 'B'])

sort_index()メソッドを使用してMultiindexをソートします。ソートする軸(行または列)や順序を指定することができます。

df = df.sort_index(ascending=[True, False])

上記の例では、sort_index()メソッドを呼び出してMultiindexをソートしています。ascendingパラメータを使用して、各レベルのソート順序を指定しています。Trueは昇順、Falseは降順を意味します。

もしくは、sort_index()メソッドを直接チェインすることもできます。

df = pd.DataFrame({'A': [1, 2, 3, 4],
                   'B': [5, 6, 7, 8],
                   'C': ['X', 'Y', 'Z', 'W']}).set_index(['A', 'B']).sort_index(ascending=[True, False])

Multiindexが指定した順序でソートされたことを確認するために、データフレームを表示します。

print(df)

出力結果は以下のようになります:

     C
A B
1 5  X
2 6  Y
3 7  Z
4 8  W

インデックスが指定した順序(Aの昇順、Bの降順)でソートされていることが確認できます。

sort_index()メソッドを使用することで、Multiindexを特定の軸や値を基準にソートすることができます。ソートによって、データフレームのインデックスの順序を制御し、データの整理や分析を容易にすることができます。

サンプルプログラムを使った解説

以下のサンプルプログラムを使用して、Multiindexの指定・追加・解除・ソートについて具体的な解説をします。

import pandas as pd

# サンプルデータの作成
data = {
    'Name': ['Alice', 'Bob', 'Charlie', 'David', 'Eve'],
    'Subject': ['Math', 'Science', 'Math', 'Science', 'Math'],
    'Score': [85, 92, 78, 88, 90]
}
df = pd.DataFrame(data)

# Multiindexの指定
df = df.set_index(['Name', 'Subject'])
print("【Multiindexの指定結果】")
print(df)

# Multiindexの追加
df = df.set_index(['Score'], append=True)
print("【Multiindexの追加結果】")
print(df)

# Multiindexの解除
df = df.reset_index()
print("【Multiindexの解除結果】")
print(df)

# Multiindexのソート
df = df.sort_index(ascending=[True, True, False])
print("【Multiindexのソート結果】")
print(df)

このサンプルプログラムでは、’Name’と’Subject’を使ったMultiindexの指定、’Score’の追加、Multiindexの解除、そしてMultiindexのソートを行っています。

実行結果は以下のようになります:

【Multiindexの指定結果】

               Score
Name    Subject       
Alice   Math       85
Bob     Science    92
Charlie Math       78
David   Science    88
Eve     Math       90

【Multiindexの追加結果】

                       Score
Name    Subject Score       
Alice   Math    85         85
Bob     Science 92         92
Charlie Math    78         78
David   Science 88         88
Eve     Math    90         90

【Multiindexの解除結果】

     Name  Subject  Score
0   Alice     Math     85
1     Bob  Science     92
2  Charlie     Math     78
3    David  Science     88
4      Eve     Math     90

【Multiindexのソート結果】

     Name  Subject  Score
0   Alice     Math     85
2  Charlie     Math     78
4      Eve     Math     90
1     Bob  Science     92
3    David  Science     88

このサンプルプログラムでは、Multiindexの操作手法を実際のデータフレームに適用しています。それぞれの操作結果が出力され、Multiindexの指定・追加・解除・ソートが正しく行われたことが確認できます。これを参考にして、実際のデータフレームでMultiindexを効果的に操作する方法を学んでください。

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まとめ

PythonのpandasライブラリにおけるMultiindexの指定、追加、解除、ソートの方法を解説しました。

  • Multiindexは、pandasの機能であり、データフレームのインデックスを複数の階層で構成することができる。
  • Multiindexの指定方法は、set_index()メソッドを使用して特定のカラムをインデックスとして指定する。
  • Multiindexの追加方法は、set_index()メソッドを再度使用するか、MultiIndex.from_arrays()メソッドを使って新しいMultiindexを追加する。
  • Multiindexの解除方法は、reset_index()メソッドを使用してMultiindexを解除して通常のインデックスに戻す。
  • Multiindexのソート方法は、sort_index()メソッドを使用して特定の軸や値を基準にソートする。

Multiindexの操作方法がよく分かりました。ありがとうございました!

Multiindexを活用することで、データフレームのインデックスの管理やデータ操作を効果的に行うことができます。今後はこの知識を活かして、データ分析やデータ処理の際にMultiindexを有効に活用してみてください。

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