Scssでよく使われるカラーコードの操作について解説します。
Scssで色を扱う方法は色々あると聞いたのですが、どんな関数があるのでしょうか?
RGB値の変換や色相の操作、色の結合など、Scssには多くの色関数があります。代表的なものをまとめたので紹介しましょう。
10進数のRGB形式の色を16進数のRGB値(#RGB)に変換
10進数で表されたRGB形式の色を、16進数のRGB値(#RGB)に変換します。例えば、RGB(255, 0, 0)は#FF0000に変換されます。
$red: rgb(255, 0, 0);
$red-hex: #{ $red }; // #FF0000
10進数または16進数のRGBA形式の色を10進数のRGBA形式(rgba(R,G,B,A))に変換
10進数または16進数で表されたRGBA形式の色を、10進数のRGBA形式(rgba(R,G,B,A))に変換します。例えば、#FF0000FFはrgba(255, 0, 0, 1)に変換されます。
$red-hex: #FF0000FF;
$red-rgba: rgba($red-hex); // rgba(255, 0, 0, 1)
カラーコードから明度を指定して10進数のRGB値(#RGB)に変換
カラーコードから明度を指定して、10進数のRGB値(#RGB)に変換します。例えば、$color: #FF0000; adjust-color($color, $lightness: -50%)は#800000に変換されます。
$color: #FF0000;
$darken-color: adjust-color($color, $lightness: -50%); // #800000
カラーコードから彩度を指定して10進数のRGB値(#RGB)に変換
カラーコードから彩度を指定して、10進数のRGB値(#RGB)に変換します。例えば、$color: #FF0000; adjust-color($color, $saturation: -50%)は#BF4040に変換されます。
$base-color: #8BC34A;
$saturate-color: adjust-color($base-color, $saturation: 20%);
$desaturate-color: adjust-color($base-color, $saturation: -20%);
上記の例では、 $base-color
変数には #8BC34A
のカラーコードを代入しています。$saturate-color
変数には、 $base-color
の彩度を 20%
増やした色を代入しています。$desaturate-color
変数には、 $base-color
の彩度を 20%
減らした色を代入しています。
カラーコードから透明度を指定して10進数のRGBA形式に変換
以下は、カラーコードから透明度を指定して10進数のRGBA形式に変換する方法です。
$color: #FF0000;
$rgba-color: rgba($color, 0.5); // rgba(255, 0, 0, 0.5)
カラーコードから10進数として赤、緑、青を取り出す
カラーコードからRGB値を取り出すには、red()、green()、blue()を使います。これらの関数は、10進数の数値を返します。
$color: #FF0000;
$red: red($color); // 255
$green: green($color); // 0
$blue: blue($color); // 0
色の反転
色の各要素を255から引いて反転させることで、色を反転させます。invert()
関数を使用して、色を反転させることができます。この関数は引数として1つの色を受け取り、その色の各要素を255から引いて反転させます。
$color: #2196F3;
$invert-color: invert($color);
.element {
background-color: $color;
color: $invert-color;
}
上記のサンプルプログラムでは、$color
変数に格納された青色を持つカラーコード #2196F3
を、背景色として使用しています。そして、invert()
関数を用いて $color
変数の色を反転させた $invert-color
変数を作成し、$invert-color
変数を文字色として使用しています。
色のグレースケール
色の各要素を平均化してグレースケール化します。
grayscale()
関数を使用することで、色をグレースケール化することができます。この関数は引数として1つの色を受け取り、その色の各要素を平均化してグレースケール化します。
$color: #2196F3;
$gray-color: grayscale($color);
.element {
background-color: $color;
color: $gray-color;
}
上記のサンプルプログラムでは、$color
変数に格納された青色を持つカラーコード #2196F3
を、背景色として使用しています。そして、grayscale()
関数を用いて $color
変数の色をグレースケール化した $gray-color
変数を作成し、$gray-color
変数を文字色として使用しています。
色相の補色(色相環で正反対に位置する色)
色相の補色とは、色相環においてある色と正反対に位置する色のことです。例えば、赤と緑、青とオレンジなどが補色の関係にあります。CSSやSCSSでは、hue()関数を使って色相を指定することができます。
hue()関数に色相を指定した場合、その色の補色を計算することができます。
// 赤の補色である青を取得する
$red: #ff0000;
$complementary-color: hue($red) + 180;
// $complementary-colorの値は 240 になります(180度足した結果)
// グラデーションの始点と終点の補色を計算して、グラデーションを作成する
$color-1: #ff0000; // 赤
$color-2: #00ff00; // 緑
$gradient: linear-gradient(to right, $color-1, $color-2);
// 補色の色相を取得する関数
@function complementary-color($color) {
@return hue($color) + 180;
}
複数の色を混在して中間色を取得
複数の色を混在して、それらの色の中間色を求めることができます。SCSSには、mix()関数を使用することで、複数の色を混在させた中間色を求めることができます。
// 赤と青を混ぜた紫の色を取得する
$red: #ff0000;
$blue: #0000ff;
$purple: mix($red, $blue);
// 複数の色を混在して、重み付けして中間色を計算する
$color-1: #ff0000;
$color-2: #0000ff;
$mix-percentage: 50%; // 50%ずつ混ぜ合わせる
$intermediate-color: mix($color-1, $color-2, $mix-percentage);
色を混ぜる(結合する)
SCSSで色を混ぜる方法は、mix()
関数を使用することです。この関数は、2つの色とその割合を指定することで、2つの色を混ぜて新しい色を作成することができます。
mix()
関数の書式は以下の通りです。
mix($color1, $color2, $weight)
$color1
と$color2
には、混ぜる2つの色を指定します。$weight
には、どの程度の割合で混ぜるかを指定します。この値は、0から100の範囲で指定することができます。値が大きいほど、$color2
の割合が増えます。
以下のサンプルプログラムでは、赤色(#ff0000
)と青色(#0000ff
)を50:50の割合で混ぜた色を作成します。
$color1: #ff0000;
$color2: #0000ff;
.mix-color {
background-color: mix($color1, $color2, 50%);
}
この場合、$color1
と$color2
の割合を50:50に指定しています。mix()
関数によって新しい色が生成され、.mix-color
クラスの背景色として設定されます。
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まとめ
Scssの色関数について、RGB値の変換や演算方法について解説しました。
- Scssには色関数が豊富に備わっており、色の変換や演算が簡単にできる。
rgb()
関数は、RGB形式の10進数の値を受け取り、16進数のRGB値に変換する。rgba()
関数は、RGBA形式の値を受け取り、10進数のRGBA形式に変換する。adjust-color()
関数は、カラーコードから明度や彩度、透明度を指定して10進数のRGB値に変換する。red()
、green()
、blue()
関数は、カラーコードからRGB値のうち赤、緑、青の値を取り出す。complement()
関数は、指定された色の補色を取得する。mix()
関数は、2つの色を混ぜて中間色を生成する。
Scssの色関数を使いこなすことで、Web開発において色に関する多くの処理を簡単に行うことができます。ぜひこの記事を参考に、Scssの色関数について学び、開発の効率を上げていきましょう。
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