この章では、コードブロックや名前空間、プログラムのデバッグの方法について解説します。

この章ではC#のコードを構成するコードブロックや、コードのグループ化の仕組みの名前空間について解説します。
また、コードを実行する際のテストに使用するデバッグの方法にすいても紹介します。
「C#基礎講座」の第1章です。この講座の詳細については以下から確認できます。
全てのサンプルプログラムのダウンロードは0章でダウンロードできます。


コードブロックとは?
コードブロックは、複数のステートメントをグループ化するための仕組みです。C#のコードは括弧{}
で囲ったブロックで構成されます。
コードブロックには、名前空間ブロック、クラスブロック、メソッドブロックなどがあります。


※クラスやメソッドについては後の章で紹介しますので、ここではコードブロックのイメージだけ持っておいて下さい。
名前空間ブロック
名前空間ブロックは、複数のクラスやメソッドをグループ化するために使用します。名前空間ブロックは、namespaceキーワードを使用して定義します。
クラスブロック
クラスブロックは、複数のメソッドやプロパティをグループ化するために使用します。クラスブロックは、classキーワードを使用して定義します。
メソッドブロック
メソッドブロックは、複数のステートメントをグループ化するために使用します。メソッドブロックは、メソッド定義の中に記述します。
名前空間とは?
名前空間とは、複数のクラスやメソッドをグループ化するための仕組みです。名前空間を使用することで、同じ名前のクラスやメソッドを複数作成することができます。
using System;
namespace MyNameSpace
{
class MyClass
{
static void Main(string[] args)
{
Console.WriteLine("Hello, World!");
}
}
}
上記のサンプルでは、MyNameSpaceという名前空間にMyClassというクラスが定義されています。MyClassにはMainというメソッドが定義されています。



名前空間は初学者にはわかりにくい要素なので、概念を学んだ上で少しずつ理解するとよいです。
デバッグとは
デバッグとは、プログラムのテストの際に問題を発見し解決するための方法です。デバッグには、ブレークポイント、ステップ実行、ウォッチウインドウなどの機能があります。


ブレークポイント
ブレークポイントは、プログラムの実行を一時停止するためのポイントです。左のグレーの部分をクリックするか、「F9」で設定・解除することができます。
ステップ実行
ステップ実行は、プログラムを一行ずつ実行することで処理を確認することができます。ステップ実行には以下のような種類があります。
- ステップインは、現在の行にあるメソッドの内部に入り、そのメソッドの処理を確認するための機能です。この機能を使用すると、現在の行にあるメソッドの内部に入り、そのメソッドの処理を一行ずつ確認することができます。
- ステップオーバーは、現在の行にあるメソッドを一気に実行し、その後の処理を確認するための機能です。この機能を使用すると、現在の行にあるメソッドを一気に実行し、その後の処理を確認することができます。
- ステップアウトは、現在実行中のメソッドから抜け出し、そのメソッドを呼び出した場所の次の行に移動するための機能です。この機能を使用すると、現在実行中のメソッドから抜け出し、そのメソッドを呼び出した場所の次の行に移動することができます。
これらの機能を使用することで、プログラムの処理をステップごとに確認することができ、デバッグをより効率的に行うことができます。
ウォッチウィンドウ
ウォッチウインドウは、変数(後の章で解説)などのデータの値をリアルタイムで確認するためのツールです。


自動変数ウィンドウ
自動変数ウィンドウは、現在のステップで使用されている自動変数(auto variables)を表示します。このウィンドウでは、変数の名前、値、型などの情報を確認することができます。
ローカルウィンドウ
ローカルウィンドウは、現在のステップで使用されているローカル変数を表示します。このウィンドウでは、変数の名前、値、型などの情報を確認することができます。
ウォッチウィンドウ
ウォッチウィンドウは、特定の変数やオブジェクトの値をリアルタイムで確認するためのウィンドウです。このウィンドウでは、変数やオブジェクトの値を監視し、値の変化を確認することができます。
これらのウィンドウを使用することで、デバッグをする際に変数やオブジェクトの値を確認することができ、プログラムの問題を発見し解決することができます。
やってみよう!実際にデバッグをして途中の値を確認する。
実際にデバッグしてウォッチウィンドウでデバッグ中のプログラムの値を確認してみましょう。
- 新規のプロジェクトを開いて以下のコードを貼り付けましょう。
using System;
namespace MyNameSpace
{
class MyClass
{
static void Main(string[] args)
{
string test = "ここで変数の値を確認できます。";
Console.WriteLine("Hello, World!");
}
}
}
2. ブレイクポイントを「string test = “ここで変数の値を確認できます。”;」に設定します。(左側の行番号をクリックすることで設定できます)
3. デバッグ実行をします。(F5を押すことで実行できます)
4. ブレイクポイントでプログラムの実行が一時停止します。
5. ステップ実行を行い、プログラムの処理を確認します。
6. ウォッチウインドウを使用し、変数などのデータの値を確認します。


この章のまとめ
この章では以下の内容を学びました。
- コードブロックには名前空間ブロック、クラスブロック、メソッドブロックなどがあり、複数のステートメントをグループ化することができる。
- デバッグには、ブレイクポイント、ステップイン、ステップオーバー、ステップアウトなどの機能があり、プログラムを一行ずつ確認することができる。
- 自動変数ウィンドウ、ローカルウィンドウ、ウォッチウィンドウなどを使用することで、デバッグ中に変数やオブジェクトの値を確認することができる。



デバッグは、プログラミングをする上で重要なスキルであり、実践することで効率的なプログラミングをするために役立ちます。
この講座の今後の章でも実際にデバッグを行って、変数やオブジェクトの値を確認しながらプログラミングを行うことでより理解を深めることができます。
次のチャプター
次章では、「変数と定数を扱う方法」について学びます。



